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よもやま話
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「仏」それとも「仏」?


 以前、おおの春堂へお客様から電話がありました。

  「お前んとこのブツダン、泥でできているのか? そんな非常識な店の泥のブツダンは買わない!!」

 最初からケンカ腰の電話でしたから、電話を受けた社員は唖然とするばかりだったそうです。確かにおおの春堂では「仏壇」と表記しています。仏壇屋さんによっては木へんの「仏檀」と表記しているお店もあります。当店で使用している「壇」は土へんですが、泥で出来ているお仏壇は扱っておりません(^_^;

 いくつかの辞書を確認すると、殆どの場合、「ぶつだん」の漢字表記は「仏壇」となっています。壇と檀が併記の辞書もあります。確かに、直感的には木製品である「ぶつだん」には「檀」が相応しいように思えます。ATOK12とMSIME97では「仏壇」しか変換できません。VJEでは「仏壇」「仏檀」「佛檀」とご丁寧に3種類。

 漢字の由来を詳しく調べると「壇」には、「祭祀(さいし)その他の儀式を行うため、一段高くしつらえた場所」と言う意味があります。元々は、お釈迦様が説法をされる時に、土を盛って高くしたり、大きな岩の上で教えを説かれた故事に由来しています。壇場・壇上・祭壇・戒壇・教壇・演壇・石壇・花壇・土壇場などの用例があります。教壇も演壇も木製ですが、「壇」の由来からすれば土へんで納得できますね。ちなみに、お釈迦様が説法をされた「壇」に敷いた敷物が打敷の由来とされています。

 一方。「檀」の方も、仏教用語で良く使います。こちらは、梵語の「ダン」に対する当て字として使用されます。梵語の「ダン」は「お布施」を意味する言葉です。ですから、同じ仏教用語でも「檀」が使用されるのは檀那(旦那)・檀越(だんおち)・檀徒・檀信徒・檀家など、お金やお布施に関係する用語に限られます。お寺様から見た場合の、財物をお布施する信者関係に使われる漢字なのですね。

 お仏壇は、ご本尊(お釈迦様・仏様)をお祀りする場所です。ですから、感覚的に正しいように見える木へんの「檀」は仏壇には相応しくありません。「お前のとこの、仏壇は泥だから買わない」と罵倒されても、やはり「仏壇」と土へんの「壇」を使用していきたいと考えます。



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