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「張り」と「練り」


 高級銘木である、黒檀、紫檀は、そのままお仏壇に使用される訳ではありません。よく、ムク(無垢)等と言いますよね。素人考えだと「黒檀総ムク仏壇」等と表示されている場合、とにかく中まで全部黒檀で出来ていると思いがちです。実際には、全部黒檀張りと考えて貰った方が正解です。通常ムクと表示してあるのは、正式には「黒檀ムクの板が張ってある」と言うことです。ムク板張りなんですね。張らずに、中まで全部黒檀の場合は「黒檀総ムク」と言います。ややこしいことに「黒檀総ムク張り」つまり黒檀のムク板で全部張ってある場合の略称も「黒檀総ムク」になっちゃうんで、お客様は余計混乱します。ここでは、5〜7ミリ厚のムク板が張ってあるものを「練り」(ねり)と称して解りやすく解説しますね。

 では、唐木仏壇で言うところの「張り」というのはどういうものなのでしょうか? 「黒檀張り」というのは、練りと違い、ムク板ではなくて、黒檀を厚さ0.2ミリ程にスライスして心材に張り付けたツキ板を材料にしたお仏壇を言います。

 さらに、「転写」と言う技術を使って、白木に唐木の木目を印刷しちゃう方法。唐木の木目が印刷された塩ビシートを張り付けちゃう方法もありますが、こうなると「黒檀調」とか「紫檀調」とか言うべきものですね。素人に見分けがつかないことを良いことに、これを「黒檀仏壇」とか「紫檀仏壇」等と、如何にも本物が使ってあるように説明するようなお店でお仏壇を買うと悲劇です。



「張り方」と「練り方」の違い(黒檀仏壇)


黒檀張り

 黒檀張りを輪切りにした状態です。上面と右辺に黒檀が張ってあります。厚さは0.2ミリ。昔は時間がたつと浮いてきて、一部が水膨れのほうになる事がありましたが、現在では、接着剤の改良により浮いてくることはまずなくなりました。



黒檀練り(前練り)

 黒檀前練りの柱を輪切りにした状態です。上面が厚さ5ミリのムクの黒檀です。この写真の柱は、上辺左右に几帳面という細工が施してあります。練りの柱の場合は、写真のように練りの厚さ分だけ彫刻などの細工を施すことが可能です。正面から見えない横と裏の部分(写真では左右と下)は張りです。



黒檀練り(二方練り)

 二方練りの柱です。上辺と左辺が7ミリ厚の黒檀ムクですね。どちらの面にも波のような細工が施してあります。張りでこのような細工を施すのは困難です。片方が壁に面している柱などは、これで充分です。



黒檀練り(三方練り)

 高級仏壇の、戸軸部分などに使う三方練りです。7ミリ厚黒檀ムクが張ってあります。「三方練ってある」などと言う言い方も使います。

黒檀練り(総練り)

 最高級仏壇の柱輪切り写真です。柱の周り全部を7ミリ黒檀ムク材で練ってあります。この柱は左右上辺と左下辺が、几帳面仕上げです。角の断面をWの字型に削って仕上げる事を「几帳面(きちょうめん」と言います。



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